高齢化が進むなかで、在宅医療を支える訪問看護の需要は年々高まっています。病棟とは大きく異なる働き方に魅力を感じ、転職を検討する看護師も増えています。
この記事では、訪問看護師の仕事内容や病棟との違い、メリット・デメリット、向いている人の特徴について解説します。
訪問看護師の仕事内容
訪問看護師は、在宅で療養する利用者の自宅や入居施設を訪問し、医師の指示書のもとで看護ケアを行う仕事です。
主な業務は、健康状態の観察、点滴や注射などの医療処置、服薬管理、療養生活のアドバイスなど多岐にわたります。利用者の病状や介護状況、実施したケア内容を記載した訪問看護報告書を作成し、主治医に提出することも重要な役割です。
1日の訪問件数は、事業所によりますが4〜6件程度が目安です。事業所によっては、自宅から利用者宅へ直行直帰できるところもあります。また、利用者は介護・福祉サービスを併用していることも多いため、ケアマネジャーや介護事業所など、他職種との連携も欠かせません。
病棟勤務との違い
訪問看護と病棟勤務には、いくつかの大きな違いがあります。
働く環境
最大の違いは、働く場所です。病棟では設備の整った環境で看護を行いますが、訪問看護では利用者の自宅が現場になります。病院のように物品が揃っていないこともあり、限られた環境のなかで工夫しながらケアを行う場面もあります。
求められるスキル
訪問看護では、特定の領域に限らない幅広い看護知識が求められます。基本的に単独で訪問するため、その場で自分が判断し対応する力が必要です。病棟のようにすぐ近くに医師や先輩がいるわけではないため、主体性が重視されます。
オンコール対応
訪問看護は基本的に夜勤はありませんが、事業所によってはオンコール制をとっているところがあります。オンコールとは、夜間や休日に緊急対応の担当者を決めておく勤務体制のことです。オンコールの有無は事業所によって異なるため、求人を選ぶ際の重要なチェックポイントになります。
訪問看護のメリット
訪問看護で働く主なメリットを見ていきましょう。
まず、利用者一人ひとりとじっくり向き合えることです。短時間で多くの患者に対応する病棟と違い、腰を据えてケアにあたれる点に、やりがいを感じる人が多くいます。
給与面でも特徴があります。訪問看護師は夜勤がない分、病棟勤務と比べると年収は下がる傾向にありますが、日勤中心の働き方のなかでは比較的給与水準が高めとされています。各種調査では平均年収は430万円前後とされることもあります。オンコール手当や出動手当が加わると、手当の総額が高くなる場合もあります。ただし金額は事業所や地域によって幅があるため、求人ごとの確認が必要です。
訪問看護のデメリット
一方で、注意しておきたい点もあります。
オンコールがある事業所では、休日でも緊急の電話が入る可能性があり、仕事とプライベートの切り替えが難しいと感じる人もいます。また、単独で訪問するため、その場で判断しなければならない場面が多く、特に慣れないうちは精神的な負担になることもあります。
移動を伴うため、天候や交通事情に左右されやすい点や、自動車・自転車での移動が前提となる事業所が多い点も、人によっては負担に感じられるかもしれません。
訪問看護が向いている人
これらを踏まえると、訪問看護は次のような人に向いているといえます。
人と接することが好きで、自分からコミュニケーションをとれる人。責任感があり、主体的に判断・行動できる人。利用者の生活に寄り添い、じっくり関わりたいと考える人には、やりがいの大きい仕事です。
一方で、常に最新の医療処置の最前線に立ちたい人や、一人で判断する状況に不安が大きい人は、事業所のサポート体制をよく確認したうえで検討するとよいでしょう。
まとめ
訪問看護は、利用者の自宅でじっくりケアにあたる、病棟とは異なるやりがいのある働き方です。幅広いスキルと主体性が求められる一方、日勤中心で利用者と深く関われる魅力があります。
オンコールの有無や訪問件数、移動手段などは事業所によって大きく異なります。気になる求人があれば、勤務条件を細かく確認したうえで検討していきましょう。

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